顔面神経麻痺後遺症の「こわばり」、原因は?マスクのような顔の強張りを和らげる改善ガイド

常に顔に一枚、硬いマスクを貼り付けられているような不快感。自然に笑おうとしても、頬が引きつって痛む…。

顔面神経麻痺のつらい時期を乗り越えたのに、今度は「顔のこわばり・強張り(つっぱり)」という後遺症に、一人で悩んでいませんか?

この症状は、単なる不快感だけではありません。笑顔を奪い、人と会う自信をなくさせ、心を少しずつ蝕んでいく、非常につらいものです。

「このまま固まってしまうのでは…」 「マッサージをしてもいいのか、かえって悪化しないか怖い」

そんな先の見えない不安を抱えるあなたのために、この記事は存在します。この記事では、顔面神経麻痺後遺症の「こわばり」について、専門家の知見を基に、その原因から最新の改善法まで、どこよりも分かりやすく丁寧に解説します。

正しい知識は、あなたを不安から解放し、改善への道を照らす光となります。ぜひ最後まで読み進めて、希望ある一歩を踏み出すきっかけにしてください。

第1章:その正体は「拘縮(こうしゅく)」- あなたのこわばりを知る

まず、あなたが感じている「こわばり」の正体は、医学的に「拘縮(こうしゅく)」と呼ばれる状態である可能性が高いです。これは、顔の筋肉が必要以上に緊張し続け、硬く縮こまってしまった状態を指します。安静にしていてもリラックスできず、常に顔が張っている、引きつっていると感じるのが特徴です。

第2章:なぜ顔がこわばるのか?原因は「神経の暴走」にあった

拘縮が起こる最大の原因は、麻痺から回復する過程で起こる**「神経の不適切な再生と過剰な興奮」**にあります。

本来、顔の筋肉は脳からの指令で動きますが、麻痺した神経が回復する際に、本来の指令以上に過剰な信号を送り続けてしまうことがあります。これにより、筋肉が常に「動け!」と命令されているような状態になり、休む暇なく緊張し続けるため、次第に硬くこわばってしまうのです。

第3章:「こわばり」と「共同運動」の密接な関係

「口を動かすと、目も閉じてしまう」といった病的共同運動にお悩みの方も多いでしょう。実は、この共同運動と「こわばり(拘縮)」は、根本原因が同じ兄弟のようなものです。過剰に興奮した神経が、意図しない筋肉まで動かしてしまうのが共同運動であり、筋肉を常に緊張させてしまうのが拘縮です。両方が同時に存在し、互いに症状を悪化させているケースが少なくありません。

第4章:【絶対NG】悪化を招く「間違ったセルフケア」

「こわばりをほぐしたい」という一心で、自己流のマッサージをしていませんか? 実は、それが症状を悪化させている可能性があります。

  • NGケア1:力任せのゴリゴリマッサージ 過敏になっている筋肉や神経を強く刺激すると、防御反応でさらに緊張が高まり、拘縮や共同運動が悪化します。
  • NGケア2:無差別な表情筋トレーニング 「イー」「ウー」と力いっぱい動かすようなトレーニングは、筋肉の過剰な興奮を助長し、逆効果です。

焦る気持ちは痛いほど分かりますが、まずは「何もしない勇気」と「正しい知識」を持つことが重要です。

第5章:医療機関で受けられる「こわばり」の専門的治療法

セルフケアの前に、まずは専門医に相談することが大原則です。医療機関では、以下のような専門的な治療が受けられます。

  1. ボツリヌス療法(ボトックス注射): 過剰に緊張している筋肉に、ごく少量のボツリヌス毒素を注射し、筋肉の緊張をピンポイントで和らげます。拘縮治療において非常に有効な手段の一つです。
  2. 専門家によるリハビリテーション: 理学療法士などの専門家が、あなたの顔の状態に合わせて、正しい筋肉の動かし方やリラクゼーション法を指導します。特に、鏡を見ながら正しい動きを再学習する「ミラーバイオフィードバック療法」は有効です。

第6章:自宅でできる!「こわばり」を和らげる正しいセルフケア

専門家の指導のもと、自宅での正しいセルフケアを並行して行うことで、改善が期待できます。ポイントは**「優しく、ゆっくり、気持ちよく」**です。

  • ジェントル・ストレッチ: 硬くなっている頬や口周りの筋肉を、指の腹で「そっと触れる」程度の力で、ゆっくりと皮膚を動かすようにストレッチします。決して強く押したり揉んだりしないでください。
  • 筋弛緩(きんしかん)トレーニング: あえて一度、顔の筋肉を軽く緊張させ(眉を少し寄せるなど)、その直後にフッと力を抜き、リラックスした状態を脳と筋肉に覚えさせます。

第7章:「温めるケア」の絶大な効果と正しい方法

こわばりの緩和には、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる「温めるケア」が非常に効果的です。

  • 方法:
    1. 清潔なタオルを水で濡らし、軽く絞ります。
    2. 電子レンジで「おしぼり」程度の温かさに加熱します(やけどに十分注意)。
    3. 温かい蒸しタオルを、こわばりが気になる部分に優しく当て、5〜10分ほどリラックスします。

入浴中に温かいシャワーを優しく当てるのも良いでしょう。リラックスできる環境で行うのがポイントです。

第8章:日常生活で見直すべき3つの習慣

顔のこわばりは、顔だけの問題ではありません。全身の状態、特にストレスが大きく影響します。

  1. 十分な睡眠: 睡眠不足は、自律神経を乱し、筋肉の緊張を高めます。
  2. ストレス管理: 深呼吸や趣味の時間など、意識的にリラックスする時間を作りましょう。
  3. 歯の食いしばりを意識する: 日中や就寝中に無意識に歯を食いしばる癖は、顔の筋肉を常に緊張させます。意識して、上下の歯を離すようにしましょう。

第9章:見た目の悩みと向き合う「心のケア」

「こわばり」による表情の変化は、精神的に大きな負担となります。体のケアと同じくらい、心のケアも大切です。

信頼できる家族や友人に話を聞いてもらう、同じ悩みを持つ人々の会に参加してみる、必要であれば心理カウンセリングを受けてみるなど、一人で抱え込まないでください。心がリラックスすれば、体の緊張も自然と和らいでいきます。

第10章:まとめ:焦らず、正しく。あなたの笑顔を取り戻すために

顔面神経麻痺後遺症の「こわばり」は、決して改善しない症状ではありません。

この記事でお伝えしたように、その原因は「神経の暴走」にあり、正しい知識に基づいた医療とセルフケアによって、その緊張を和らげていくことは十分に可能です。

最も大切なことは、焦らないこと。そして、自己流に走らず、必ず専門家と相談することです。

硬いマスクを少しずつ脱いでいくように、あなたの顔に再び柔らかな表情が戻る日は、きっと来ます。この記事が、そのための確かな一歩となることを心から願っています。

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Profile

耳鼻咽喉科 認定鍼灸師 / 吉池 加奈

持ち前の陽気さで周囲をぱっと明るくさせるムードメーカー。 興味を持ったものには一直線、休日は韓国料理食べ歩きや推し活で忙しく過ごす。 顔面と耳の解剖学を極めたのち、美容鍼と耳鼻科疾患の治療を専門に取り組んでいる。

耳鼻咽喉科 認定鍼灸師 / 吉池 加奈