嗅覚障害でニオイがしない…不安なあなたへ|原因・治療・セルフケアを専門家が徹底解説

「最近、ニオイがまったく感じられなくなった…」「料理の匂いがしない」「香水の香りも全然わからない」――そんな症状に気づいた時、多くの方がまず不安に陥ります。 嗅覚障害は、日常生活に大きな影響を与えるだけでなく、うつや不安を引き起こすこともある、見えにくいつらさを伴う症状です。 このブログでは、嗅覚障害の原因から治療法、日々のセルフケアや鍼灸を含む補完的アプローチまで、できるだけわかりやすく丁寧にお伝えします。 あなたの不安が少しでも軽くなり、「ニオイが戻るかもしれない」と希望をもって読み進めていただけるよう願っています。

第1章:嗅覚障害とは何か?─意外と知られていない種類と定義

嗅覚障害とは、嗅覚の低下または喪失を指しますが、その症状にはいくつかのパターンがあります。「全く匂わない(嗅覚脱失)」「一部しか感じない(嗅覚低下)」「異なる匂いに感じる(嗅覚錯誤)」「本来ない匂いがする(嗅覚幻覚)」といった分類が存在します。 これらの症状は一時的な場合もありますが、原因によっては長期化・慢性化することもあります。まずは自分の嗅覚の状態を正しく理解することが、治療への第一歩です。

第2章:代表的な原因とは?─風邪、コロナ後遺症、副鼻腔炎など

嗅覚障害の原因として最も一般的なのは、ウイルス性の上気道感染症、つまり風邪やインフルエンザ、近年では新型コロナウイルス感染症です。これらによって鼻粘膜の炎症や嗅神経の損傷が起こり、匂いを感じにくくなります。 また、副鼻腔炎(慢性または急性)やアレルギー性鼻炎などによる粘膜の腫れ、鼻づまりも原因となります。まれに、頭部外傷や脳の疾患、嗅神経の腫瘍など深刻な疾患が隠れていることもあるため、早めの受診が重要です。

第3章:嗅覚が戻らないときの不安と心理的影響

嗅覚障害を経験した多くの方が口にするのが、「日常の楽しみが減った」「食事が美味しくない」「自分の体臭に気づけない」といった生活上のストレスです。匂いは記憶や感情とも深く結びついているため、嗅覚の喪失はうつ症状や不安障害にもつながることがあります。 また、火事やガス漏れといった危険察知が難しくなるため、精神的にも大きな負担となります。自分だけが感じているわけではないということを知り、適切なサポートを受けることが大切です。

第4章:病院で受ける検査と診断の流れ

嗅覚障害が疑われる場合、耳鼻咽喉科を受診すると、まずは問診と視診が行われます。その後、嗅覚検査(T&Tオルファクトメータや匂い識別テストなど)や、鼻腔の内視鏡検査、必要に応じてCTやMRIなどの画像診断が行われます。 原因が鼻粘膜なのか、神経なのか、脳なのかを特定することが治療方針の決定に直結します。検査を通して「原因不明」ではなく「どこに原因があるのか」を明確にすることが第一歩です。

第5章:西洋医学での治療法─薬物療法や点鼻薬の効果

西洋医学では、原因に応じた薬物療法が中心になります。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎による嗅覚障害には、ステロイド点鼻薬や抗ヒスタミン薬、抗生物質が処方されます。 また、嗅神経の炎症が疑われる場合には、ステロイドの内服が短期的に使用されることもあります。こうした治療を早期に行うことで、回復の可能性が高まります。症状が軽いうちの受診が回復のカギです。

第6章:再発や慢性化を防ぐ生活習慣の工夫

嗅覚障害は再発や慢性化のリスクもあるため、日常生活での予防がとても重要です。鼻うがいや加湿などで鼻粘膜の環境を整えること、花粉やハウスダスト対策を行うことも大切です。 また、栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスの軽減も免疫機能を保つうえで不可欠です。こうした生活習慣の積み重ねが、嗅覚の維持と回復につながります。

第7章:セルフケアでできる嗅覚リハビリ法とは

自宅でできる嗅覚リハビリとして注目されているのが、「嗅覚トレーニング」です。これは、レモン・ユーカリ・ローズ・クローブなど4種類の香りを毎日かぎ分けることで嗅神経を刺激し、再生を促す方法です。 科学的にも一定の効果が確認されており、継続することで回復の可能性を高めます。無理なく日常に取り入れられるため、医師の指導のもとで取り組むことをおすすめします。

第8章:嗅覚障害と鍼灸治療─東洋医学からのアプローチ

東洋医学では、嗅覚障害を「気血の巡り」や「肺経の不調」ととらえ、鍼灸で自律神経や血流を整える施術を行います。鼻周囲や手足の経穴(ツボ)に鍼を打つことで、局所の血流を改善し、嗅神経の回復を助ける効果が期待されます。 西洋医学で改善が見られなかった方や、薬の副作用を避けたい方にとって、鍼灸は負担の少ない選択肢となることがあります。症例によっては効果的な補助療法として位置づけられます。

第9章:コロナ後遺症による嗅覚障害への対応

新型コロナ感染症による嗅覚障害は、ウイルスが直接嗅神経を傷つけることによって起こると考えられています。軽症でも嗅覚異常が長期にわたることがあり、数カ月単位での経過観察が必要なこともあります。 治療は基本的に保存的療法(自然回復の経過を見る)ですが、必要に応じて嗅覚リハビリや鍼灸が併用されることもあります。焦らず、しかし適切な支援を受けながら回復を目指すことが大切です。

第10章:いつ改善する?治る人・治らない人の違い

嗅覚障害が改善するかどうかは、原因・発症からの期間・治療のタイミングなどに左右されます。たとえば、急性副鼻腔炎に伴う障害であれば比較的早く改善する一方、ウイルス性や頭部外傷が原因の場合は長期化することもあります。 治らない場合でも、セルフケアや補完療法でQOL(生活の質)を向上させる方法はあります。「もう治らない」とあきらめず、できることをひとつずつ見つけていく姿勢が、回復への第一歩になります。

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Profile

副院長 / 吉池 美奈子

宮崎県の名門鍼灸一家に生まれる。 幼いころから鍼で風邪を治してもらうため、病院に連れていかれる友人をうらやましく思って育つ。 患者さんへの寄り添いを1番に大切にし、スタッフ育成と耳鼻科疾患治療に奔走する二児の母。

副院長 / 吉池 美奈子