外リンパ瘻|家庭・仕事で困る症状

外リンパ瘻(Perilymphatic Fistula: PLF)は、内耳の外リンパ腔と中耳の間に異常な瘻孔(穴)が生じ、外リンパ液が漏出することによって起こる疾患です。

臨床症状は非常に多彩であり、聴覚(蝸牛)症状、めまい・ふらつき(前庭)症状、自律神経症状、およびその他の随伴症状が様々に組み合わさって出現します。すべての症状が揃うケースだけでなく、難聴のみ、あるいはめまい・ふらつきのみが主訴となるケースもあります。

詳細な症状の分類と特徴は以下の通りです。

1. 聴覚(蝸牛)症状

難聴(突発性・進行性・変動性)

  • 突然聞こえなくなる突発性のほか、数日かけて徐々に悪化する「進行性難聴」、日によって聴力が良くなったり悪くなったりを繰り返す「変動性・反復性難聴」など、経過は様々です。
  • 聴力型にも特定の傾向はなく、低音障害型、高音障害型(ダイビング後などに多い)、水平型、山型、谷型など多岐にわたります。難聴の程度も軽度から高度・重度まで幅広く見られます。

耳閉感・耳鳴り

  • 難聴に伴い高頻度に出現します。
  • 特徴的な所見として「水の流れるような耳鳴り(流水音耳鳴)」や「水の流れる感じ」が挙げられますが、実際には一般的な耳鳴り(キーン、ザーなど)を訴える患者の方が多いです。

自声強聴・聴覚過敏

  • 自分の声が耳に響く「自声強聴」や、特定の音を不快に感じる「聴覚過敏・音響過敏」を伴うことがあります。

2. めまい・平衡障害(前庭症状)

浮動性めまい・慢性のふらつき(動揺感)

  • 外リンパ瘻のめまいは、回転性よりも長時間持続する浮動性(フラフラ感・不安定感)が主体であることが多く、慢性期や日常生活での動揺感として現れます。
  • 立位や歩行、体動(加速度刺激)で悪化し、仰臥位(横になる)や安静時に改善する傾向があります。また、歩行時に難聴のある患側へ傾く(偏倚する)ことがあります。

回転性めまい

  • 急性期や、外傷・圧外傷により内耳窓(前庭窓など)が大きく破裂した重症例では、嘔吐を伴う激しい回転性めまいを発症することがあります。

患側下頭位での増悪

  • 患側(病変側)を下に頭を傾けると、めまいや眼振が誘発・増強しやすい傾向があります。

3. 外リンパ瘻に特徴的な徴候

ポップ音(pop音)

  • 発症時や力み・圧負荷がかかった瞬間に、「パチッ」「プチッ」「ポン」「はじけるような音」という膜が破れるような音や感覚を自覚することがあります。

瘻孔症状(ろうこうしょうじょう)

  • 鼻をかむ、耳に指を入れる、くしゃみをする、息を止めて力む、外耳道に加圧・減圧を加えるなど、中耳圧や頭蓋内圧が変化することでめまいや眼振が誘発される現象です。

4. その他の随伴症状

  • 自律神経症状: 強いめまいに伴い、悪心・嘔吐が生じます。
  • 頭痛: 慢性のふらつきやめまいに伴い、頭痛を自覚することがあります。
  • 認知機能低下・精神症状:
    • 慢性的な不整な前庭信号やめまいが続くことで、集中力や記憶力の低下などの認知機能障害、不安感や気分障害が伴うことが報告されています。
  • 小児における反復性髄膜炎:
    • 小児の内耳奇形に伴う外リンパ瘻(髄液漏)では、難聴や耳症状だけでなく原因不明の髄膜炎を繰り返すことが特徴的な徴候として知られています。

この記事を書いた人

院長 / 吉池 弘明

頭の中は、つねに愛する家族と鍼治療のことでいっぱい。耳鼻科疾患治療への探究心が強く、日々新たな治療法を模索する「はり・きゅうの日生まれ」62歳。お医者様とは違った角度からの聴力検査と全身検査を取り入れ、のべ25万人を検査。全国から来院する患者さんへの治療成果を上げている。

院長 / 吉池 弘明

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頭の中は、つねに愛する家族と鍼治療のことでいっぱい。耳鼻科疾患治療への探究心が強く、日々新たな治療法を模索する「はり・きゅうの日生まれ」62歳。お医者様とは違った角度からの聴力検査と全身検査を取り入れ、のべ25万人を検査。全国から来院する患者さんへの治療成果を上げている。

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