急性低音障害型感音難聴|イヤホンのリスク

急性低音障害型感音難聴(ALHL)とイヤホンの関係、悪化のリスク、および使用の可否について、資料に基づきわかりやすく説明します。

1. 急性低音障害型感音難聴とイヤホンの関係

  • 直接の病因ではありません。
    急性低音障害型感音難聴(ALHL)の直接的な原因は、内耳(蝸牛)の「内リンパ水腫(水ぶくれ)」や、精神的ストレス・過労・睡眠不足などによる「内耳の血流障害(微小循環不全)」と考えられています。したがって、イヤホンを聞くこと自体がALHLの直接の根本原因というわけではありません。
  • イヤホンによる難聴(音響外傷)とは病態が異なります。
    イヤホンやヘッドホンで大音量・長時間の音を聞くことで起きる難聴は「音響外傷」や「イヤホン難聴(騒音性難聴)」と呼ばれ、内耳の有毛細胞が強い音刺激で物理的・代謝的に障害されるものです。これらは主に高音域(4,000Hz付近など)が低下するのが特徴であり、低音域が障害されるALHLとは病態が異なります。

2. イヤホンが原因で悪化するのか?

  • 【発症中・治療中(急性期)】
    イヤホンの使用は控えましょう 。ALHLからの回復には、心身の安静とともに「耳の安静(強大音や過度な音刺激を避けること)」が極めて重要です。症状が落ち着くまでは、イヤホンの使用は極力避けて耳を休ませることが推奨されます。
  • 【回復後・日常で使う場合のアドバイス】
    症状が治まり、日常的にイヤホンを使用する際は、内耳を傷めないために国際基準(WHOなど)に沿った以下のルールを守ることが大切です。
    1. 音量は最大音量の60%以下に抑える(安全基準の目安は80dB以下)。
    2. 使用時間は1日1時間未満にとどめる(週40時間以内)。
    3. 騒音下での音量アップを防ぐ: 電車内などの騒がしい場所では無意識に音量を上げてしまうため、ノイズキャンセリング機能を活用するか、そうした場所での使用を避ける。
    4. 疲労や寝不足のときは控える: 体調不良や寝不足のときは耳の防衛機能が低下し、音によるダメージを受けやすくなるため使用を避けましょう。

3. ALHLの回復や再発予防に不可欠なこと

質の良い睡眠と、ストレスケアが大切です。急性低音障害型感音難聴は、繰り返しながら症状が進行することが多いです。イソソルビド(イソバイド)を2週間飲んでも改善しなければ、鍼治療が効果的なのでご相談ください。

この記事を書いた人

耳鼻咽喉科疾患 認定鍼灸師 / 吉池 くるみ

癒しオーラをまといながら、的確な説明で日々患者さんからの信頼を獲得している。趣味のゲームで培った手先の器用さで、オージオメータや医療用サーモグラフィなどの検査機器を華麗に使いこなす。自らが飛行機内で耳管機能不全を発症し、看護師さんに助けられた経験から、耳鼻科疾患の鍼治療を専門に取り組んでいる。

耳鼻咽喉科疾患 認定鍼灸師 / 吉池 くるみ

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癒しオーラをまといながら、的確な説明で日々患者さんからの信頼を獲得している。趣味のゲームで培った手先の器用さで、オージオメータや医療用サーモグラフィなどの検査機器を華麗に使いこなす。自らが飛行機内で耳管機能不全を発症し、看護師さんに助けられた経験から、耳鼻科疾患の鍼治療を専門に取り組んでいる。

耳鼻咽喉科疾患 認定鍼灸師 / 吉池 くるみ