耳管狭窄症|絶対やってはいけないこと

耳管狭窄症(耳管の開きが悪くなり中耳の換気が阻害される状態)において、症状を悪化させたり、中耳や内耳の組織を不全に追い込んだりする危険がある「絶対やってはいけないこと」をまとめました。

1. 鼻閉・多量の鼻汁がある状態での「強引な耳管通気(自己通気・バルサルバ法)」

  • 感染の拡大(中耳炎の誘発・悪化):鼻づまりや多量の鼻汁(感染性の鼻水)がある状態で無理に息を吹き込む自己通気(バルサルバ法)や通気を行うと、細菌やウイルスを含んだ鼻汁が耳管を通って中耳腔へ直接押し込まれ、化膿性中耳炎(膿耳)を発症・悪化させる原因となります。
  • 通気圧の過度な上昇による組織損傷:無理に強い圧力で空気を通そうとすると、鼓膜や内耳に負担をかけるだけでなく、皮下気腫や頭蓋内合併症などのリスクが高まるため「絶対に行わない」とされています。
  • 頻繁な通気処置の繰り返し:短期間で過度に通気処置を繰り返すと、かえって耳管粘膜自体に炎症を引き起こす恐れがあります。

2. 両方の鼻穴を一度に力強くかむこと

両方の鼻穴を同時に塞いで力任せに鼻をかむと、鼻腔内の圧力が急上昇し、鼻汁や病原体が耳管を通って中耳内に入り込みます。耳痛や中耳の感染を防ぐため、鼻は必ず「片方ずつ優しくかむ」ことが徹底されます。

3. 「鼻すすり」を繰り返す・癖にすること

耳の詰まり感や不快感を和らげようと無意識に鼻をすする動作(鼻すすり癖)を行うと、中耳腔内が強い陰圧に引き込まれ、鼓膜が内側へ引っ張られます。 これを日常的に繰り返していると、鼓膜が凹んで治りにくくなる滲出性中耳炎や癒着性中耳炎を引き起こし、さらには鼓膜の一部が袋状に引き込まれて周囲の骨を破壊しながら進行する「真珠腫性中耳炎」へ進展する極めて大きな危険があります。

4. 綿棒や耳かきで耳の奥を過度にいじること

耳閉感や違和感があるからといって習慣的に耳かきや綿棒で耳の奥を刺激すると、外耳道粘膜に肉芽や分厚い瘢痕組織が形成され、外耳道そのものが狭窄・閉鎖してしまうことがあります。また、奥へ押し込むような刺激は鼓膜損傷や中耳外傷、内耳の膜が破れる外リンパ瘻などを引き起こす要因となります。

5. 耳抜きが不十分・風邪の状態で無理な気圧変化(ダイビングや飛行機)に晒すこと

上気道炎(風邪)や鼻咽頭炎がある時、あるいは耳抜きが適切にできない状態で無理にスキューバダイビングや飛行機への搭乗を行うと、中耳や内耳に急激な気圧変化(気圧外傷)がかかります。その結果、強い耳痛だけでなく、内耳の膜が破れる外リンパ瘻を発生させ、高度な難聴や激しいめまいをきたすリスクがあります。

この記事を書いた人

耳鼻咽喉科疾患 認定鍼灸師 / 宮原 魁都

プロサッカー選手への夢は膝の大怪我で絶たれたが、鍼が持つ「再生と癒しの力」に魅了され、鍼灸の道に進む。運動器疾患の治療を得意としているが、ずば抜けた根性と精神力で院長からの難題を次々クリアし、現在は耳鼻科疾患の鍼治療でも成果を上げている。

耳鼻咽喉科疾患 認定鍼灸師 / 宮原 魁都

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耳鼻咽喉科疾患 認定鍼灸師 / 宮原 魁都

プロサッカー選手への夢は膝の大怪我で絶たれたが、鍼が持つ「再生と癒しの力」に魅了され、鍼灸の道に進む。運動器疾患の治療を得意としているが、ずば抜けた根性と精神力で院長からの難題を次々クリアし、現在は耳鼻科疾患の鍼治療でも成果を上げている。

耳鼻咽喉科疾患 認定鍼灸師 / 宮原 魁都