耳管開放症|コーヒーが天敵だった

耳管開放症を繰り返す患者さんの中に、コーヒーで症状が悪化する方がいました。実は、コーヒーの過剰摂取は耳管開放症を悪化させるのです。

コーヒーだけでなく、玉露やエナジードリンクも、耳管開放症を悪化させるのです。

その主な理由は「脱水作用」と「自律神経(交感神経)への影響」の2点です。

1. 利尿作用による「脱水」と耳管閉鎖圧の低下

耳管開放症の病態において、体内の水分量や血流量は非常に重要な要素です。

  • 耳管を閉じる仕組み
    普段、耳管は周囲の組織圧や静脈網(翼突筋静脈叢など)の充血・血流量によって外側から押し潰される形で閉じられています。
  • コーヒー(カフェイン)の影響
    コーヒーに含まれるカフェインには強い利尿作用があります。水分補給のつもりでコーヒーをたくさん飲むと、体内の水分や循環血流量が減少して脱水傾向になります。また、玉露やエナジードリンクもカフェインを多く含む飲み物なのです。
  • 症状の悪化
    体内の水分が減ると耳管周囲の静脈血流が減少し、耳管を外側から閉じる力(閉鎖圧)が約10〜40%低下します。その結果、耳管がより開きやすくなり、自分の声が響く自声強聴や自己呼吸音聴取、耳閉感が悪化してしまいます。

2. 交感神経の刺激と血流・自律神経への影響

カフェインには交感神経を刺激して緊張を高める作用があります。

耳管開放症の背景には、過労やストレス、自律神経の乱れ(交感神経の過緊張)、末梢の血流障害が深く関与していることが知られています。交感神経が優位になりすぎると血管の収縮や自律神経のアンバランスを招き、耳管機能の安定を妨げる要因となります。

3. 日常生活での付き合い方とアドバイス

  • 「水分補給」は水やノンカフェイン飲料で
    耳管開放症のセルフケアにおいて、脱水を防ぐこまめな水分補給は極めて大切です。ただし、コーヒーや濃い紅茶・緑茶などは利尿作用で逆に水分を排出してしまうため、水分補給にはお水や麦茶などのノンカフェイン飲料を「こまめに(ちびちび飲み)」摂ることが推奨されます。
  • コーヒーを楽しむ場合の工夫
    コーヒーを完全に断つ必要はありませんが、1日1〜2杯程度にとどめ、コーヒーを飲んだ後は同量以上のお水を飲んで脱水を防ぐ工夫をすると安心です。

4. 交感神経を調整する

鍼治療は昔から、交感神経が緊張している体を副交感神経優位にして自然治癒力を高めるとされてきました。お仕事のストレスやカフェインで交感神経優位になると、そのまま、交感神経の緊張が続いてしまうことが多いので安定剤を使い始める方も多いです。

こんな時、鍼治療で自律神経のバランスをとりましょう。副交感神経と交感神経でバランスをとっている自律神経が中庸を保って安定することが多いです。

この記事を書いた人

耳鼻咽喉科疾患 認定鍼灸師 / 吉池 加奈

持ち前の陽気さで周囲をぱっと明るくさせるムードメーカー。興味を持ったものには一直線、休日は韓国料理食べ歩きや推し活で忙しく過ごす。顔面と耳の解剖学を極めたのち、美容鍼と耳鼻科疾患の治療を専門に取り組んでいる。

耳鼻咽喉科疾患 認定鍼灸師 / 吉池 加奈

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持ち前の陽気さで周囲をぱっと明るくさせるムードメーカー。興味を持ったものには一直線、休日は韓国料理食べ歩きや推し活で忙しく過ごす。顔面と耳の解剖学を極めたのち、美容鍼と耳鼻科疾患の治療を専門に取り組んでいる。

耳鼻咽喉科疾患 認定鍼灸師 / 吉池 加奈