
突然のめまいや耳鳴り、もしかすると神経血管圧迫症候群かもしれません
「最近、急にめまいがする」「耳鳴りが止まらない」「聞こえが悪くなった」…こんな症状でお悩みではありませんか?
これらの症状の原因の一つに、神経血管圧迫症候群という病気があります。聞き慣れない名前かもしれませんが、実は中高年の方に意外と多い病気なのです。
神経血管圧迫症候群って何?
簡単に言うと、血管が神経を圧迫(押している)することで起こる病気です。
私たちの脳の中には多くの血管と神経が通っています。通常はお互いに干渉することなく共存していますが、加齢などにより血管が曲がったり膨らんだりすると、近くにある神経を圧迫してしまうことがあります。
聴神経が圧迫されるとどうなる?
聴神経は耳から脳に向かう大切な神経で、「音を聞く」「体のバランスを保つ」という2つの重要な働きをしています。
この聴神経が血管に圧迫されると、以下のような症状が現れます:
耳の症状
- 聞こえにくくなる(片耳だけのことが多い)
- 耳鳴りがする(キーン、ジーなど)
- 音が響いて聞こえる
- 耳が詰まった感じがする
めまいの症状
- グルグル回るめまい
- フラフラする
- まっすぐ歩けない
- 立っているのがつらい
その他の症状
- 頭痛
- 集中できない
- 疲れやすい
どんな人がなりやすい?
以下のような方は注意が必要です:
- 50歳以上の方(年齢とともに血管が変化するため)
- 高血圧の方
- 動脈硬化がある方
- 家族に同じような症状の人がいる方
病院ではどんな検査をするの?
MRI検査
脳の中の血管と神経の状態を詳しく調べます。痛みはありませんが、30分程度じっとしている必要があります。
聴力検査
どのくらい聞こえているか、どんな音が聞こえにくいかを調べます。ヘッドホンをつけて音を聞く検査です。
平衡感覚の検査
めまいの原因や程度を調べる検査です。目を閉じて立ったり、特別な椅子に座って検査を行います。
治療方法は?
症状の程度により、以下のような治療法があります:
お薬による治療
軽い症状の場合
- めまい止めの薬
- 血流を良くする薬
- 耳鳴りを和らげる薬
- ビタミン剤
リハビリテーション
バランス感覚を鍛える訓練
- 理学療法士と一緒に行う平衡訓練
- 自宅でできる簡単な体操
- 頭の位置を変える練習
鍼治療(代替医療)
症状の緩和に効果が期待できる場合があります
- めまいや耳鳴りの軽減
- 血流改善による症状緩和
- ストレス軽減効果
- 薬物治療と併用することも可能
※鍼治療は根本的な治療ではありませんが、症状の軽減に役立つ場合があります。信頼できる鍼灸院で、神経血管圧迫症候群について理解のある治療者に相談することをお勧めします。
手術による治療
症状が重い場合や薬で改善しない場合
微小血管減圧術という手術を行います。
- 血管と神経の間に小さなクッション(テフロン)を入れる
- 根本的な治療法として最も効果的
- 成功率は80-90%と高い
手術について詳しく知りたい方へ
手術の流れ
- 全身麻酔をかけます
- 後頭部を小さく切開します(約5cm)
- 血管と神経を確認し、圧迫している部分を見つけます
- 小さなクッションを挿入して圧迫を解除します
- 傷を縫って手術終了
入院期間
- 通常1-2週間の入院
- 手術翌日から歩行可能
- 1週間程度で日常生活に復帰
手術の効果
- めまい:80-95%の方で改善
- 聞こえ:60-80%の方で改善
- 耳鳴り:70%程度の方で改善
よくある心配事にお答えします
Q. 手術は怖くないですか? A. 脳神経外科の専門医が行う安全な手術です。合併症の確率は5%以下と低く、多くの方が無事に回復されています。
Q. 年齢が高くても手術できますか? A. 75歳程度までの方であれば、体の状態が良ければ手術可能です。詳しくは医師と相談しましょう。
Q. 手術後、普通の生活ができますか? A. ほとんどの方が以前と同じような生活に戻れます。重いものを持つなどの制限は最初だけです。
Q. 鍼治療は効果がありますか? A. 鍼治療により、めまいや耳鳴りなどの症状が軽減される方もいらっしゃいます。血流改善やストレス軽減効果が期待できますが、根本的な治療ではないため、医師の治療と併用することをお勧めします。
Q. 薬だけで治りませんか? A. 軽い症状なら薬で改善することもありますが、根本的に治すには手術が必要な場合が多いです。
どこの病院に行けばいい?
以下の条件を満たす病院を選びましょう:
- 脳神経外科がある総合病院
- MRI設備が整っている
- 神経血管圧迫症候群の治療実績がある
- 聴力検査ができる
まずは近くの耳鼻科や脳神経外科を受診し、必要に応じて専門病院を紹介してもらいましょう。
日常生活で気をつけること
症状がある時
- 急に立ち上がらない
- 転倒に注意する
- 車の運転は控える
- 十分な睡眠をとる
補完的な治療選択肢
- 鍼灸治療:症状の緩和に効果的な場合がある
- 漢方薬:体質改善による症状軽減
- マッサージ:血流改善とリラクゼーション効果
※これらの治療は医師の治療と併用し、必ず担当医に相談してから始めましょう。
予防のために
- 血圧管理をしっかりと
- 適度な運動を心がける
- ストレスを溜めない
- 定期健診を受ける
まとめ:早めの受診が大切です
神経血管圧迫症候群による聴神経の症状は、早期発見・早期治療が何より重要です。
こんな症状があったら要注意
- 片耳だけ聞こえにくい
- 止まらない耳鳴り
- 回転するようなめまい
- ふらつきが続く
一人で悩まず、まずは専門医に相談することをお勧めします。適切な治療により、多くの方が症状の改善を実感されています。
大切なお知らせ この記事は情報提供を目的としており、医師の診断や治療に代わるものではありません。症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。
関連する症状・病名:めまい、耳鳴り、難聴、神経血管圧迫症候群、聴神経、微小血管減圧術、脳神経外科
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