耳管狭窄症(耳管が開きにくくなったり、閉塞したりする状態)の原因は多岐にわたり、大きく「炎症や器質的病変による狭窄(機械的狭窄)」と「耳管を開く運動の障害による不全(機能的狭窄)」に分類されます。
主な原因としては以下の要因が挙げられます。
1. 感染症・炎症性疾患(最も頻度が高い原因)
上気道感染症(風邪)や上咽頭炎
炎症によって耳管の開口部(耳管咽頭口)や耳管内腔の粘膜が浮腫(むくみ)を起こし、通りが悪くなります。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎
粘膜の腫れや粘稠な鼻汁・後鼻漏(鼻水が喉に流れること)により、耳管口や周囲が物理的に塞がれます。
中耳炎(急性・慢性・滲出性)
中耳から耳管粘膜に炎症が波及することや、炎症の繰り返しによる器質的な瘢痕(はんこん)形成が狭窄の原因となります。
2. 物理的・構造的な閉塞(耳管周囲の病変)
アデノイド肥大(アデノイド増殖症)・耳管扁桃肥大
特に小児において、上咽頭にあるアデノイドや扁桃組織が耳管開口部を圧迫・閉塞します。
上咽頭腫瘍(鼻咽腔腫瘍)
上咽頭にできた腫瘍が耳管周囲を外側から直接圧迫・浸潤します(大人の片側性狭窄において必ず鑑別すべき原因です)。
3. 解剖学的・年齢的要因
乳幼児・小児の未熟性
耳管軟骨の支持力が弱かったり、頭蓋骨格や耳管の機能が未成熟であったりするため、機能的な開大不良を起こしやすくなります。
口蓋裂
耳管を開く役割を持つ筋肉(口蓋帆張筋など)の機能不全や構造的異常が関係します。
加齢
加齢に伴う耳管軟骨の硬化や組織の変化が狭窄に関与することがあります。
4. 環境・その他の要因
急激な気圧変化(航空性中耳炎など)
飛行機の離着陸、ダイビング、高所移動やエレベーター乗降時に周囲の気圧変化に耳管の開閉が追いつかず発症します。
胃酸逆流症(逆流性食道炎)
逆流した胃酸が上咽頭や耳管粘膜を刺激・炎症させ、粘膜の腫れを引き起こします。
放射線治療の既往
頭頸部がん等の放射線照射により、耳管の線毛運動能力が低下したり瘢痕狭窄が生じたりします。
シェーグレン症候群
線毛機能低下や粘膜乾燥・炎症などが狭窄に関与します。
5. まとめ
耳管狭窄症の具体的な診断・検査法や、「耳管開放症」との症状の違い、なぜ治らない等々、わからないことや不安なことがありましたら、無料相談をご利用ください。