「あれ、顔の左右が…?」もしかしたら知っておきたい両側性の顔面神経麻痺

鏡を見て、ふと自分の表情に違和感を覚えたことはありませんか?「口角が上がりにくい」「目が閉じにくい」といった症状は、顔面神経麻痺のサインかもしれません。一般的に顔面神経麻痺は顔の片側に起こることが多いのですが、ごく稀に、両側に症状が現れる「両側性顔面神経麻痺」という病態があります。

今回は、この稀ながらも注意が必要な両側性の顔面神経麻痺について、その原因、症状、そして治療法を分かりやすく解説します。

両側性顔面神経麻痺とは?

顔面神経は、眉を上げたり、目を閉じたり、口を動かしたりといった、豊かな表情を作るための筋肉をコントロールしている神経です。この顔面神経が何らかの原因で左右両方とも麻痺してしまう状態を両側性顔面神経麻痺と呼びます。

顔面神経麻痺と聞くと、顔の片側が動かなくなる状態を思い浮かべる方が多いでしょう。実際に、顔面神経麻痺全体の99%以上は片側性です。両側性の麻痺は非常に稀で、全体の1%にも満たないとされています。

片側性の顔面神経麻痺の多くは、原因が特定できない「ベル麻痺」や、水ぼうそうのウイルスが再活性化して起こる「ハント症候群」ですが、両側性の場合は、背景に何らかの全身性の病気が隠れている可能性が高いと考えられています。

こんな症状に要注意!両側性顔面神経麻痺のチェックリスト

左右対称に症状が現れるため、麻痺の程度が軽いとかえって気づきにくいことがあります。以下の項目に心当たりがないか、チェックしてみましょう。

  • [ ] 額にうまくシワを寄せることができない
  • [ ] 左右の目を同時に、かつ強く閉じることが難しい
  • [ ] 「いー」と口を横に引いたとき、口角が十分に上がらない
  • [ ] 食事中や飲み物を飲むときに、口からこぼれやすい
  • [ ] 食べ物の味が以前より分かりにくくなった(味覚障害)
  • [ ] 周りの音がやけに大きく、響くように感じる(聴覚過敏)
  • [ ] 言葉が話しにくい、発音しにくい

これらの症状が複数当てはまる場合は、注意が必要です。

なぜ起こるの?考えられる主な原因

両側性の顔面神経麻痺は、片側性とは異なり、体全体の不調が原因となっていることが多いのが特徴です。代表的な原因疾患には以下のようなものがあります。

  • ギラン・バレー症候群: 主にウイルス感染などをきっかけに、自身の免疫系が末梢神経を攻撃してしまう自己免疫疾患です。多くの場合、手足のしびれや力の入りにくさから始まりますが、顔面神経に症状が現れることもあり、その場合は両側性になることが少なくありません。
  • サルコイドーシス: 全身の様々な臓器に「肉芽腫」という炎症性のしこりができる原因不明の病気です。神経、特に顔面神経にこの病変が及ぶと、両側性の麻痺を引き起こすことがあります。
  • ライム病: マダニに咬まれることで「ボレリア」という細菌に感染する病気です。森林や草むらに生息するマダニが媒介します。特徴的な皮膚症状のほか、神経症状として両側性の顔面神経麻痺を起こすことがあります。
  • その他: 上記以外にも、糖尿病、悪性リンパ腫などの腫瘍、様々な自己免疫疾患などが原因となる可能性も指摘されています。

診断と治療について

「おかしいな」と感じたら、まずは耳鼻咽喉科神経内科を受診しましょう。

診断

診断にあたっては、まずどのような症状がいつから現れたのかを詳しく問診し、顔面神経の麻痺の程度を評価します。両側性の場合は、その背景にある原因を特定することが非常に重要になるため、以下のような検査が行われることがあります。

  • 血液検査: 炎症の有無や、特定のウイルス・細菌に対する抗体の有無を調べます。
  • 髄液検査: 脳や脊髄の周りを満たしている液体を採取し、神経の炎症の兆候などを調べます。
  • 画像検査(MRIなど): 脳や顔面神経そのものに異常がないかを確認します。

治療

治療の基本は、原因となっている病気の治療です。例えば、ギラン・バレー症候群であれば免疫グロブリン大量静注療法や血漿交換療法、ライム病であれば抗菌薬の投与など、原因に応じた専門的な治療が必要となります。

それと並行して、顔面神経麻痺そのものに対する治療も行われます。

  • 薬物療法:
    • ステロイド薬: 神経の炎症を強力に抑えます。
    • ビタミンB12製剤: 神経の回復を助ける働きがあります。
    • 抗ウイルス薬: ウイルス感染が疑われる場合に用いられます。
  • リハビリテーション: 麻痺した筋肉が固まってしまったり、意図しない動き(病的共同運動)といった後遺症を防いだりするために、顔面筋のマッサージや運動療法が非常に重要です。専門家の指導のもと、根気強く続けましょう。
  • 目の保護(ケア): 目が完全に閉じられないと、角膜が乾燥して傷つきやすくなります。人工涙液の点眼や、就寝時に眼軟膏を使用したり、テープでまぶたを閉じたりして、目を保護することが大切です。

一人で悩まず、早期に専門医へ相談を

両側性の顔面神経麻痺は、単なる顔の問題ではなく、全身に潜む病気からの重要なサインである可能性があります。症状に気づいたら、決して自己判断で様子を見たりせず、できるだけ早く専門の医療機関を受診してください。

原因を正確に突き止め、適切な治療を早期に開始することが、より良い回復への一番の近道です。不安な気持ちを抱え込まず、まずは専門医に相談することから始めましょう。

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Profile

耳鼻咽喉科 認定鍼灸師 / 吉池 加奈

持ち前の陽気さで周囲をぱっと明るくさせるムードメーカー。 興味を持ったものには一直線、休日は韓国料理食べ歩きや推し活で忙しく過ごす。 顔面と耳の解剖学を極めたのち、美容鍼と耳鼻科疾患の治療を専門に取り組んでいる。

耳鼻咽喉科 認定鍼灸師 / 吉池 加奈