顔面神経麻痺に悩む方へ―ギラン・バレー症候群と鍼治療の可能性

ギラン・バレー症候群は、突然発症する神経の病気で、手足のしびれや筋力低下とともに、時には顔の動きができなくなる「顔面神経麻痺」を引き起こすことがあります。多くの場合、脳神経内科での入院治療が行われ、免疫グロブリン療法や血漿交換療法を通じて急性期を乗り越えますが、退院後にも残る神経症状に悩まされる方も少なくありません。私たちは40年前から、ギラン・バレー症候群後の顔面神経麻痺に対して鍼灸治療を行ってきました。今回は、医学的な根拠と臨床経験に基づき、鍼治療が後遺症の改善にどのように役立つのかをわかりやすく解説します。

第1章 ギラン・バレー症候群とはどんな病気?

ギラン・バレー症候群(GBS)は、自己免疫反応によって末梢神経が障害される病気です。風邪や胃腸炎などの感染後に発症することが多く、急激に筋力低下が進むことから、緊急対応が必要な神経疾患とされています。特に顔面神経麻痺が両側に起こるケースでは、食事や会話、表情のコントロールに大きな支障をきたし、日常生活の質が著しく低下します。

第2章 脳神経内科を中心とした治療体制

急性期には、脳神経内科での治療が中心になります。免疫グロブリン療法(IVIG)や血漿交換療法(PE)は、症状の進行を抑えるために重要な治療です。重症例ではICUでの管理が必要になることもあります。顔面神経麻痺がある場合は、脳外科や耳鼻咽喉科との連携も行われ、適切な評価とリハビリが早期から始まります。

第3章 退院後に残る後遺症―顔面神経麻痺

急性期の治療を終えた後も、顔の動きが回復せず「笑えない」「まぶたが閉じない」といった後遺症が続く方がいます。こうした神経麻痺のリハビリには時間がかかることが多く、標準的なリハビリだけでは改善に限界を感じる患者さんも少なくありません。

第4章 鍼治療はなぜ有効なのか?

顔面神経は皮膚のすぐ下を走行しており、東洋医学でいう「気血」の流れに深く関わります。鍼刺激により、血流改善・神経活性化・筋肉の緊張緩和が促され、神経の再生をサポートする作用が期待できます。医学論文でも、一定条件下では鍼治療が標準リハビリと同等、またはそれ以上の回復効果を示す例も報告されています。

第5章 鍼治療が効果的なタイミングとは?

特に有効とされるのが、「免疫グロブリン療法が終了し、退院直後の回復期」です。この時期は神経再生が活発に行われるため、鍼によって自然治癒力を引き出しやすくなります。身体の免疫バランスを整えることで、神経の修復が進みやすくなり、後遺症の固定化を防ぐことが可能です。

第6章 顔面神経麻痺に対する当院の鍼治療法

私たちの鍼灸院では、40年以上にわたりギラン・バレー症候群後の顔面麻痺に対応してきました。顔面神経の走行に沿った刺鍼と、頚部・頭部の自律神経ポイントへのアプローチを組み合わせた独自の治療法を実践しています。個々の回復段階に応じて、刺激量や施術部位を細かく調整することが、高い治療効果の鍵となっています。

第7章 顔面神経のリハビリと併用するメリット

鍼治療単独ではなく、顔の表情筋トレーニングや温熱療法などのリハビリと併用することで、相乗効果が期待できます。鍼で神経の回復を促し、リハビリで機能訓練を進めることで、左右のバランスや表情筋の再教育がスムーズに進みます。

第8章 患者さんの声と改善例

実際に鍼治療を受けられた方の中には、「半年以上変化がなかった顔の動きが数回の施術で改善した」「まぶたが自然に閉じられるようになった」といったお声もいただいています。改善には個人差がありますが、希望を持てる治療法の一つとして、多くの方にご活用いただいています。

第9章 安全性と注意点について

鍼治療は副作用が少ないとされる治療法ですが、顔への施術には高度な技術と解剖学的知識が求められます。当院では国家資格を持つ鍼灸師が、医学的背景を理解したうえで安全に施術を行っています。事前のカウンセリングも丁寧に行い、不安なく受けていただける環境を整えています。

第10章 後遺症で悩むあなたへ―鍼治療という選択肢

ギラン・バレー症候群の後遺症、特に顔面神経麻痺は、時間が経つほど回復が難しくなることもあります。しかし、退院直後から適切なサポートを受けることで、改善の道は大きく開けます。お薬だけに頼らず、自身の治癒力を高める鍼治療という選択肢を、ぜひ知っていただきたいと思います。

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Profile

院長 / 吉池 弘明

頭の中は、つねに愛する家族と鍼治療のことでいっぱい。 耳鼻科疾患治療への探究心が強く、日々新たな治療法を模索する「はり・きゅうの日生まれ」62歳。 お医者様とは違った角度からの聴力検査と全身検査を取り入れ、のべ25万人を検査。 全国から来院する患者さんへの治療成果を上げている。

院長 / 吉池 弘明