顔面神経麻痺で「絶対にやってはいけない」5つのこと|食事・リハビリ・過ごし方の完全ガイド

顔面神経麻痺の治療中にやってはいけない5つのこと。食事・リハビリ・過ごし方を交えて解説します!

「早く治したいから、一生懸命顔を動かしている」 「筋肉が落ちないように、低周波治療器を使っている」 「硬いものを噛んでリハビリしている」

もし、あなたが今、回復のためにこのような努力をしているとしたら… 今すぐやめてください。

その「良かれと思ってやっている行動」が、実は神経の回復を妨げ、一生残る後遺症(病的共同運動など)を引き起こす最大の原因になっている可能性があるからです。

この記事では、40年以上にわたり7万2千人以上の顔面神経麻痺患者さんを診てきた私たちが、医学書(ガイドライン)と臨床経験に基づいて、「治療中に絶対に避けるべき5つの具体的行動」と、回復を早めるための正しい過ごし方について解説します。

【NG行動1】無理に動かす・低周波治療(電気マッサージ)

無理に顔の筋肉を動かすのはNG

最も危険で、絶対に避けてほしい行動です。 「動かさないと固まる」という不安から、以下のようなことをしていませんか?

  • 低周波治療器を顔に当てる
  • 鏡の前で「イーッ」と強く顔を歪める(百面相)
  • 無理やり目や口を動かす

なぜダメなのか?「混迷再生」の恐怖

顔面神経は、脳から「目」や「口」に向かって伸びる電線のようなものです。ウイルスで傷ついた神経は、一度切れた電線をつなぎ直すように、1日1ミリ程度のスピードで再生していきます。

この再生中に、強い電気刺激や無理な運動(粗大な随意運動)を加えると、神経が方向を見失い、「口に行くべき神経が目に繋がってしまう」という事故が起きます。これを医学的に「迷入再生(混迷再生)」と呼びます。

一度間違って繋がると、「口を動かすと目が勝手に閉じる(病的共同運動)」という後遺症が一生残ってしまいます。 医学的にも、急性期の低周波治療や強力な運動は「有害である(推奨度D)」として強く禁止されています。

【NG行動2】硬いもの・熱いものを食べる(食事の注意点)

硬い・熱い・冷たすぎる食べ物はNG

「ガムを噛んでリハビリしよう」「熱いスープを飲もう」としていませんか? これも、神経の混迷再生を招く危険な行動です。

食べてはいけないもの・避けるべき食べ方

医学書に特定の「禁止食品」はありませんが、神経を守るために以下のものは避けてください。

・ガム、スルメ、硬い肉など
強く噛む動作(咀嚼)は、表情筋にも強い力がかかります。これが「粗大な運動」となり、神経の混迷再生を誘発します。

・熱すぎるもの、冷たすぎるもの
麻痺した唇は感覚が鈍くなっているため、火傷をする危険があります。また、ストローを使って強く吸い込む動作も、口輪筋への過度な負担になります。

【正しい食事法】
できるだけ柔らかいものを、ゆっくりと噛んで食べてください。 特に重要なのは、「口を動かす時に、一緒に目が動かないように意識する」ことです。食事中、無意識に目が動いてしまうのを防ぐため、軽く手で目を押さえながら食べるのも有効です。

【NG行動3】顔や手足を冷やす(寒冷曝露)

寒い風の防露や内臓を冷やす飲み物はNG

神経の再生には、大量の血液(酸素と栄養)が必要です。 しかし、ステロイド治療を受けた後の患者さんは、副作用やストレスで自律神経が乱れ、体温が著しく低下している(免疫力が下がっている)ことが、当院のサーモグラフィ検査で分かっています。

避けるべき行動

  • 冬場の外出時に顔を出す: マスクやマフラーで完全に覆ってください。
  • 冷房の風を直接浴びる
  • 冷たい飲み物のガブ飲み: 内臓を冷やすと、全身の免疫力がさらに下がります。

神経は寒さに非常に弱いです。顔だけでなく、手足やお腹もしっかり温め、免疫力を上げることが回復への近道です。

【NG行動4】目の乾燥を放置する(角膜の保護)

目の乾燥を放置するのはNG

顔面神経麻痺になると、まぶたが完全に閉じなくなったり、瞬きが減ったりします。 ここで一番怖いのが「角膜(黒目)の乾燥」です。

角膜は一度傷つくと再生しません。乾燥を放置して角膜が混濁すると、視力が永久に低下してしまう恐れがあります。

【正しいケア】

寝る時は、眼軟膏を塗り、医療用テープでまぶたを閉じて貼る、または眼帯をして乾燥を防ぐ。

日中はこまめに点眼薬をさす(防腐剤なしの人工涙液など)。

【NG行動5】ストレスを溜め込む(2階建てのストレス)

ストレスを溜め込むのはNG

顔面神経麻痺の原因はウイルスですが、そのウイルスが暴れ出した根本原因は「ストレスによる免疫力の低下」です。

さらに発症後は、「顔が変わってしまった」というショックや、「治るのか」という不安が重なり、ストレスが「2階建て」の状態になっています。 日本人は我慢強い方が多いですが、このストレスを放置すると、自律神経(交感神経)が興奮し続け、血管が収縮して神経への血流が途絶えてしまいます。

【正しい過ごし方】 「安静に」と言われますが、家に閉じこもって悩み続けるのは逆効果です。 サングラスやマスクをして散歩に出たり、好きな音楽を聴いたりして、副交感神経(リラックス神経)を優位にする時間を作ってください。

病院治療の後に、本当にすべきこと

病院でのステロイド治療は「炎症を止める」ためには不可欠ですが、低下してしまった免疫力を戻したり、神経の再生を直接促したりする治療ではありません。

「あとは薬を飲んで待つだけ」と言われて不安な方は、神経の再生力を高め、後遺症(混迷再生)を防ぐための専門的なケアを検討してください。

私たち「森上鍼灸整骨院」は、長野県須坂市で40年以上にわたり、専門治療一筋で延べ110万人の患者さんと向き合ってきました。

その中でも「顔面神経麻痺」は特に専門としており、これまでに標準治療で改善しなかった7万2千人を超える方々を診てきた実績があります。

私たちは、あなたの回復を妨げている「冷え」や「神経の過緊張」を科学的に検査し、後遺症を残さないための専門治療を行います。

治療前

ストレスや自律神経の乱れで顔の温度が低下した顔面神経麻痺の患者さん

治療後

低下した顔の温度が改善してきた顔面神経麻痺の患者さん

●医療用サーモグラフィ
ステロイド後に低下した「体温(免疫力)」や「血流」の状態を可視化します。

●低周波を使わない専門治療
後遺症のリスクがある電気治療は一切行わず、独自の技術で顔面神経への血流を改善します。

●正しいリハビリ指導
患者さんの回復段階に合わせた、混迷再生を防ぐための正しいリハビリ(マッサージ法など)を指導します。

このアプローチにより、病院で「後遺症が残るかもしれない」と言われた患者さんでも、当院の治療を受けられた方の82.5%に何らかの改善が見られています。

実際に改善された方の声

自己流のケアで後遺症を残してしまう前に、ぜひ一度私たちにご相談ください。 「何をすべきで、何をすべきでないか」を、あなたの症状に合わせて的確にアドバイスいたします。

当院の「顔面神経麻痺」に対する専門的なアプローチは、下記の専門ページで詳しく解説しています。 → 顔面神経麻痺 専門ページはこちら

「自分の症状でも改善の可能性があるか知りたい」「できるだけ早く相談したい」という方は、下記の無料相談フォームからお気軽にご連絡ください。 → 無料相談フォームはこちら

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Profile

耳鼻咽喉科 認定鍼灸師 / 吉池 加奈

持ち前の陽気さで周囲をぱっと明るくさせるムードメーカー。 興味を持ったものには一直線、休日は韓国料理食べ歩きや推し活で忙しく過ごす。 顔面と耳の解剖学を極めたのち、美容鍼と耳鼻科疾患の治療を専門に取り組んでいる。

耳鼻咽喉科 認定鍼灸師 / 吉池 加奈