
「お医者様の治療をしっかり受けたのに、聴力が思うように戻らない」 「ステロイド治療が効かなかった。もう打つ手はないのだろうか」
突発性難聴と診断され、耳鼻咽喉科で標準的な治療を受けても、残念ながらすべての方が満足のいく回復を得られるわけではありません。
なぜ、同じ治療を受けても効果に差が出るのでしょうか? 私たちは、その答えの一つが、その人の「体質」、特に「遺伝的な要因」にあるのではないかと考えています。
突発性難聴は、何かのウイルスやストレスだけが原因ではなく、もともと持っている遺伝的な要因と、生活の中の環境的な要因が重なって発症する「多因子疾患(たいんししっかん)」である可能性が、医学研究で指摘されています 。
この記事では、病院の治療ではなかなか改善しなかったという方に向けて、突発性難聴の発症に関わるとされる「遺伝的な原因」について、分かりやすく解説します。
突発性難聴のより詳しい原因や症状については、以下のページで網羅的に解説しています。
→ 突発性難聴とは?原因から治療法までを専門家が解説
※出典 全日本病院出版会 ENTONI No.183 「突発性難聴update」
病院の標準治療でなぜ良くならなかったのか
耳鼻咽喉科の標準治療は、主にステロイド薬が中心です。これは、突発性難聴の原因として「内耳の炎症」や「ウイルス感染」を想定しているためです 。
もちろん、この治療で改善する方も多くいらっしゃいます。 しかし、もしあなたの難聴の原因が、炎症やウイルスではなく、「内耳の血液循環の悪さ」にあったとしたらどうでしょうか?
ステロイドは、血液の流れを直接的に良くするお薬ではありません。 私たちがこれまで診てきた、病院の治療で改善しなかった14万人の患者さんの体を詳しく調べてみると、多くの方に「血液の流れが悪くなりやすい、ある共通点」が見られました。
その共通点が、もしかすると生まれ持った「体質=遺伝子」と関係しているのかもしれません。
突発性難聴の「遺伝的背景」とは?
最近の医学研究では、突発性難聴になりやすい「体質」に関わる遺伝子について、いくつかの報告がされています。特に注目されているのが、血液の流れや体の防御反応に関わる3つのポイントです。
① 血液の流れが滞りやすい体質(局所循環障害)

最も多くの研究がされているのが、この「血液の流れ」に関する体質です 。
耳の奥(内耳)には、髪の毛よりも細い血管が張り巡らされています。ここの流れが少しでも滞ると、聴覚を担う細胞はすぐにダメージを受けてしまいます。
研究によると、以下のような遺伝子のタイプが関係している可能性が指摘されています。
- MTHFR遺伝子: 体の中の「ホモシステイン」という物質を処理する酵素に関わる遺伝子です 。この遺伝子の働きが生まれつき弱いと、ホモシステインが血液中に増えやすくなります 。ホモシステインは、血管の壁を硬くし(動脈硬化)、血液の流れを悪くする原因物質の一つとされています 。
- 第V因子・プロトロンビン遺伝子: これらは「血液を固まらせる」働きに関わる遺伝子です 。このタイプによっては、血液が固まりやすく、小さな血の塊(血栓)ができやすい体質になることが知られています 。
- NOS3遺伝子: 「血管を広げる」働きに関わる遺伝子です 。この働きが弱いと、血管がうまく広がれず、血流が悪くなりやすいと考えられます 。
簡単に言えば、「血液がドロドロになりやすい」「血管が硬くなりやすい」「血の塊ができやすい」といった体質が、突発性難聴の引き金の一つになっているのではないか、ということです。
② 体が「サビやすい」体質(酸化ストレス)

私たちは呼吸するたびに、体内で「活性酸素」というもの(体をサビさせる物質)を生み出しています。このサビから体を守る力も、遺伝的に個人差があります 。
ある研究では、突発性難聴の患者さんは、治療を受ける前から体の中の「サビ」が非常に多い状態であったことが報告されています 。
生まれつき体がサビやすく、そのサビを取り除く力(SOD1遺伝子などが関わります )が弱いと、内耳のデリケートな細胞がダメージを受けやすいのかもしれません。
③ 家族の中に突発性難聴になった人がいる

ある調査では、突発性難聴になった患者さんは、そうでない人と比べて、家族や親戚の中にも突発性難聴を経験した人が多い、という結果が出ています 。これは、やはり何らかの遺伝的な要因が家族内で受け継がれている可能性を示しています。
突発性難聴は「全身の病気」のサインかもしれない

ここまでの話をまとめると、突発性難聴の原因には、「血液が固まりやすい」「血管が硬くなりやすい」といった、全身の「血液循環」に関わる体質が深く関わっている可能性が見えてきます 。
ここで、とても重要なことをお伝えしなければなりません。
耳の奥の細い血管で起こる「血流の悪さ」は、耳だけの問題ではないかもしれません。それは、あなたの体全体で、もっと重大な問題が起きる「サイン」である可能性が隠されています。
ある医学的な調査では、突発性難聴を発症した人は、発症しなかった人と比べて、5年以内に脳梗塞(のうこうそく)を発症するリスクが1.6倍も高かったという報告があります 。
突発性難聴は、「たまたま耳に起こった不調」ではなく、「あなたの体質が発している、全身への警告」と捉えるべきかもしれません。
あなたの体は大丈夫? 体が発する「無言の症状」
遺伝子のタイプを一つひとつ調べるのは、時間がかかりますし、簡単ではありません。 大切なのは、遺伝子の結果そのものよりも、今あなたの体が発している「無言の症状」に耳を傾けることです。
病院の治療で改善しなかった患者さんのお体を調べてみると、私たち(森上鍼灸整骨院)は以下のような共通の特徴(=無言の症状)があることを見つけました。
- 1.首や背骨のゆがみ(側弯)
背骨や首がゆがんでいると、耳や脳に向かう大切な血管(椎骨動脈など)が圧迫され、ただでさえ滞りやすい体質(遺伝子)の人の血流を、さらに悪化させてしまいます。 - 2.体の「冷え」(特に上半身)
ストレスや緊張状態が続くと、自律神経のうち「交感神経」が働きすぎになり、全身の血管がギュッと縮こまってしまいます。これにより血流が悪くなり、体の表面温度(体表温度)が低下します。 - 3.「ふくらはぎ」が冷たい
ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、下半身の血液を心臓に戻すポンプの役目をしています。ここが冷たいということは、ポンプがうまく働かず、全身の血流が滞っているサインです。これは、いわゆる「エコノミークラス症候群」が起こりやすい状態で、「梗塞体質(こうそくたいしつ)」(血の塊ができやすい体質)であることを示しています。
もし、ご家族や近親者に脳梗塞や心筋梗塞にかかった方がいる場合は、あなたも同じ体質を受け継いでいる可能性があり、特に注意が必要です。
これらの「無言の症状」は、病院のステロイド治療では改善しにくい、突発性難聴の根本的な原因(=体質)を示していると、私たちは考えています。
諦めるのはまだ早い。原因を見つけるための専門検査
森上鍼灸整骨院は、長野県須坂市で40年間、突発性難聴の治療に取り組んできました。 当院に来られるのは、すべて「耳鼻咽喉科の標準治療では改善しなかった」という患者さんばかりです。
私たちは、これまでに14万人以上の突発性難聴の患者さんと向き合い、そのうち87.9%の方に何らかの改善(聴力の回復や耳鳴りの軽減など)が見られています。
なぜ、病院で改善しなかった方々が、当院で改善の兆しを見つけることができるのか。 それは、私たちが「耳」だけを診るのではなく、「全身」を診て、聴力の回復を妨げている「根源」を探し出すからです。
当院では、一般的な聴力検査や耳管機能検査、鼓膜の検査に加えて、独自に以下の専門的な検査機器を導入し、あなたの「体質」を徹底的に調べます。
- 医療用サーモグラフィ (体の表面温度を測定し、血流が悪くなっている「冷え」の場所や、自律神経のバランスの乱れを可視化します)
- 循環器用エコー (血管の状態や、ふくらはぎのポンプ機能など、血液の実際の流れを詳しく観察します)
- モアレトポグラフィ (背骨や首の「ゆがみ(側弯)」が、どの程度血流を妨げているかを立体的に分析します)

これらの検査によって、あなたの突発性難聴の「本当の原因」がどこに隠れているのかを推測し、その原因に直接アプローチする「専門治療」の提案が可能になります。
まずは、あなたの不安をお聞かせください
突発性難聴の改善には、時間がかかることもあります。だからこそ、不安や疑問を抱えたままではなく、ご自身の体の状態を正確に知り、前向きに治療を継続していくことが大切です。
当院では、あなたのこれまでの経緯や不安、お悩みを、まずじっくりとお伺いすることから始めます。
病院の治療で思うような結果が出なくても、どうか諦めないでください。あなたの「体質」に合ったアプローチが、きっとあるはずです。
当院の「突発性難聴」に対する専門的なアプローチは、下記の専門ページで詳しく解説しています。
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